2006.05.25

スポーツトレーニング

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スポーツ競技の試合本番を控えて練習をやりすぎて体調をくずしたり、関節や筋肉を痛めてクリニックを訪れる中学生や高校生がいます。試験勉強前の一夜漬けとは違いスポーツの場合に付け焼刃の練習ではその成果は発揮されません。試合本番前に最高のコンディションで望むためには普段の練習よりもトレーニングをむしろ徐々に減らすことが必要です。
これをトレーニングのテーパリングといいます。ここで大切なことはいかに体力を落とさずにトレーニングを減らしていくかということです。トレーニングは1週間に何日行うかというトレーニング頻度、1日に何時間おこなうかというトレーニング時間、トレーニング中に心拍数が平常時のどれだけ増えるかというトレーニング強度、スポーツトレーニングにはこの頻度、時間、強度という3つの要素から成り立っています。頻度と時間については普段の練習の3分の1まで減らしても体力の指標となる最大酸素摂取量が約15週間は維持されることがわかっています。ところが運動強度を3分の2程度に減らした場合、最大酸素摂取量はたちまち低下してしまいます。試合前の練習量を減らすテーパリングは本番の1週間ぐらい前から始めて普段のトレーニングの頻度と時間のみを減らしトレーニング強度は試合に沿った強度を維持することが大切です。たとえば10000m走に出場する場合、通常1日の練習量を12000mとすると、完全な休養日を数日おきにはさみながら8000mから5000m、3000mと1日ごとに走行距離を減らして行きます。ただし運動強度を維持するため試合で走るときと同様かそれ以上の走るスピードを意識することが大切です。このような調整法は科学的に裏づけのあるものです。レクレーションではやりたいときに好きなだけ自由に行えばいいのですが、記録を競うクラブレベルのスポーツではぜひ実践していただきたいと思います。

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2007.07.22

疲労骨折

Stress_fracture

レントゲンでは診断がつきにくい、足やすね、胸や腕の痛みがあります。知らないうちに骨が折れているという状態でこれを「疲労骨折」と呼びます。通常は全く問題のない力なのに特定の部位への継続的なストレスが繰り返し加わることで金属が折れてしまうという状況に似ています。スポーツトレーニングの過度の負荷が原因であることが多く、小学生の低学年から50歳代まで幅広く発生します。10歳代でスポーツクラブに入る時期に多く16歳が発生のピークと報告されています。痛みを感じ始めたときに病院でレントゲンをとっても注意深くレントゲンを見ないと骨折は発見されないことがあります。症状がでてから一ヶ月以上経過してレントゲンを再びとると、疲労骨折の部位は仮骨と呼ばれるあたらしい骨で修復され、疲労骨折の場所が太く映って、その時点で初めてレントゲンで明らかに診断がつくようになります。この状態で無理をおして競技を続けていると、いつまでたっても症状が取れません。それどころか最悪の場合に急激な外傷による骨折と同様、骨の連続性がなくなる完全骨折になることもあります。このような事態を防ぐためにも指導者や保護者そして競技者本人はスポーツ活動を休む事の大切さを考えるべきです。たとえばスネの骨の疲労骨折では足の負担を軽くするために運動の時間や頻度を減らし、運動の強度は水泳や自転車など足に荷重のかからない、今までとは違う競技で維持していく方法も考えられます。運動再開時には、いきなりランニングをしたりせずに、通常の2~3倍の時間をかけて、入念にウオーミングアップしてから、練習することが大切です。ランニングの際には、アスファルトのような硬い路面を避けて、芝生など柔らかい土のグラウンドを選んで走り始めて下さい。疲労骨折と医師に告げられて活動を休止したときには、これを機会に自分自身の体力や競技のフォームそしてトレーニング環境を見直すことが最も重要で、これが再発予防につながります。

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