中高年の筋力トレーニング
筋力トレーニングというと若いスポーツマンの運動を連想しますが、中高年者であっても筋力を鍛えることで若い人と同程度の効果が期待できます。ただしトレーニングの原理、原則を理解しておくことが大切です。その原理ですが、まず第一に骨格筋には2種類の筋肉があります。瞬発力を発揮する速筋(ソッキン)。これは漢字で速い筋肉と書きます。そしてもう一つは持久力を発揮する遅筋(チキン)、これは遅い筋肉と書きます。この2つの筋肉のうち速筋の筋線維の方は40歳を過ぎると急激に萎縮、消失していきます。また2つの筋肉は鍛える方法も異なります。速筋を鍛えるにはある程度の強い負荷を与えた「きつい」と感じる無酸素運動です。この際に血圧の上昇が生じることがあり、息を止めてふんばる動作を行うと胸腔内圧まで上昇して危険です。このことを防ぐために強い負荷の筋力トレーニングは息を吐きながら力を出すことが大切です。これは最大筋力の60%ぐらいの力を出して行います。一方、それに対して持久力を担う筋力トレーニングは有酸素運動です。近年介護予防のために要介護者などに対して取り入れられている「パワーリハビリ」という高齢者のための新しいリハビリテーションがこれに当たります。特に普段使っていない筋肉を中心として万遍なく正しい姿勢と動作で疲れを感じないように一定のリズムで行う運動です。この運動は何よりも主観的に「楽である」ということが大切です。運動の負荷を増やしてはいけません。
いずれの筋肉トレーニングにおいても筋力を維持することは、体の基礎代謝を高め身体的および心理的活動性をともに回復させる効果が大きく、自立した生活を送るためには大変重要なことといえます。トレーニングの原理、原則を守り、各自が自分の健康状態や運動能力に応じて正しくトレーニングを行うためにも、トレーニングに先立っては整形外科やリハビリテーションにかかわる医療従事者に具体的なプランを立ててもらうことが必要だと思われます。
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